意思決定するための計測
計測の目的って色々あると思いますが、意思決定するための計測の方法について、実際に自分が活用してうまくいった方法をシェアします。
事例の表
私は、グラフが基本好きなのですが、珍しく表を使っての意思決定をしていました。
(下記数字は、実際の数字にある係数をかけた数値になりますの本当の数字とは異なりますが、

数値は、ROAS(費用対効果)を表しています。
これは、Google広告のROASの数値の表です。ROASというのは、費用対効果のことで、この表の場合CV(コンバージョン値)=ECサイトでの売り上げなので、ROAS=売り上げ/費用 ということになります。
数値が20.64というのは、1万円広告費をかけたら20万6400円の売り上げが上がったということを意味します。
列の説明:過去7日間、14日間、30日間の平均です。
列は、過去7日間、14日間、30日間の平均の数値を出しています。
行は、キャンペーンです。8つのキャンペーンを動かしています。
最後の列は、意思決定のための判定です。
最後の列については、意思決定のための判定をスプレッドシートに単純な式を入れて、表示するようにしています。
A:順調
このまま継続か予算アップ
B:(表にはない)V字回復
需要期に入ったか、施策が当たったかのどちらか。予算アップを検討
C:ダウントレンド 予算を縮小か施策を検討
D:改善の必要あり:キャンペーン自体の見直し・中止も含めて検討
判定基準は、下記の通り
ROASが10以上というのが最低のラインなので、
過去14日間、30日間どちらもROAS10以上 → A(意思決定ルール:現状維持か予算アップ)
過去14日間がROASが10以上、過去30日間がROASが10以下 → B(意思決定ルール:現状維持か予算アップ)
過去14日間がROASが10以下、過去30日間がROASが10以上 → C(意思決定ルール:必確認・要施策もしくは予算調整)
過去14日間、過去30日間のどちらもROASが10以下 → D(意思決定ルール:要施策もしくは継続するかどうかの検討)
(参考までにセルに入れている式の一例は、下記の通り。セルによって指定セルは変わります)
=IF(AND(D2>=10, E2>=10), “A”, IF(AND(D2>=10, E2<10), “B”, IF(AND(D2<10, E2>=10), “C”, “D”)))
表の意図
なぜ、そうしているか?
それは、ROASのトレンドをチェックしたいからです。
このECサイトの商品は、季節性のある商品です。夏に売れる商品もあれば、冬に売れる商品もあるため、予算の調整が結構難しかったりします。
30日間のROASだけを見ていると、施策が遅れてしまうので、過去7日間、14日間、30日間の数字を見ることで、今のそのキャンペーンがどんな状態にあるのかが見えます。
なぜ、グラフじゃなくて表なの?
最初は、グラフで管理をしていたのですが、ROASの正確な数値を見て判断したいというのが一つの理由です。
もう一つの理由が、A,B,C,Dというアラートを明確に出すことで、自分自身に行動を促すきっかけにしたかったからです。
これを自動化する仕組み(無料ツールのみ)
1、スプレッドシートにGoogle広告のデータ取り込み
この仕組みは、スプレッドシートの拡張機能を使って、Google広告とAPI連携して(簡単です。誰でもできます)毎日スプレッドシートにデータを持ってくるようにする
スプレッドシートのデータをルッカースタジオ(無料)に取り込む
ルッカースタジオという無料ツール(私がよく使うツール)にスプレッドシートのデータを引っ張ってきて表示させます。
毎朝メールで送る設定をする
ルッカースタジオにレポートをスケジューリングしてメールで送る仕組みがあるので、それを設定して、毎朝、それを眺める。
裏話
事例に挙げている画像の数値は、とてもいい数値出ていますが、Aが全くない時期やDが半分以上という時期があって、絶望に暮れていたしんどい時期がありました。
絶望的な状況や自分の無力感に支配される時ってマーケティングの仕事をしていると常に付きものですが、そういう時期の、試行錯誤というか、そんなかっこいいものじゃなくて、「もがき」が力になり結果になっていくんだと思います。
